大津市教委は十九日、同市清風町の曼陀羅山(まんだらやま)古墳群のうち二基の発掘調査結果を発表した。一つの古墳に後から別の人物を埋葬する「追葬」をした痕跡など、古墳がどのように使われていたかが分かり、保存状態も良好。二十二日に現地説明会がある。
 発掘したのは、百十七基ある同古墳群のうち「百十四号墳」「百十五号墳」の二基で、六世紀後半の古墳時代後期とされる。棺を置く「玄室」に通じる横穴(羨道(せんどう))がある横穴式石室で、埋葬が終わった後にも出入りでき、当時主流だった形という。
 これまで同古墳群で発掘した五基と同じく天井が角型の「畿内型」で、坂本、滋賀里地区の古墳に多い「ドーム型」と異なるため、渡来人ではなく土着の豪族の墓とみられる。
 百十四号墳では、羨道からも副葬品と見られる土器が出土。羨道を閉じる「閉塞(へいそく)石」が通常より外側に残っていた。度重なる追葬で、棺や副葬品が玄室からあふれていたとみられる。また、市内で初めて鉄製の刀のつばが出土。鉄製の小刀(刀子(とうす))もあった。
 百十五号墳では、床に敷石があったほか、排水溝もあり、湿気対策の跡が見られる。玄室の奥の壁は幅二メートルほどの大きな石がはめてあり、豪族の財力や運搬技術がうかがえる。
 いずれも鎌倉時代ごろの土器やたき火の跡が残り、後世に古墳を住居や倉庫として使った人々がいたことも分かった。
 説明会は午前十時半から。市教委は公共交通機関での来場を呼び掛けている。JR小野駅から徒歩二十分、または堅田駅から江若バス「清風町南口」下車。(問)市教委=077(528)2638

 (野瀬井寛)