設楽森林組合(設楽町小松)に、初の女性現場職員が誕生した。名古屋市出身の山田祐佳さん(32)。先輩職員と山に入り、チェーンソーで大木を伐採している。高齢化が進み、人手不足が深刻な山仕事の世界。「女性進出のきっかけになってくれれば」と組合幹部は期待を寄せる。
 山田さんは今春、設楽町津具の空き家に移住。四月から設楽森林組合で臨時職員として作業の基礎を学び、七月一日付で正規の現場技能者となった。「正職員になるには通常半年かかる。努力の成果ですね」と村松幹彦組合長(72)は話す。
 名古屋市守山区で生まれ育ち、大学を卒業後、富山市内の生花店で働いた。「同僚の女性が地元の森林組合に転職したんです。仕事の話を聞くたびに、『楽しそうだな』『私もやってみたいなあ』と思うようになりました」
 自分の生花店を持つのが夢だったが、「他人が育てた切り花を売るより、山の現場の方が働きがいがあるのでは」と方向転換。昨年四月、名古屋に帰り、設楽町津具で開かれた移住定住促進事業の空き家見学会に参加し、事業のリーダーを務める村松清和さん(60)から設楽森林組合を紹介された。
 四人でチームを組み、立ち木を伐採。移住前に取得した大型免許を生かし、切り落とした枝葉をダンプカーで搬出する。「できることが少しずつ増えていく。それがうれしいです」。仕事の合間を縫って、林業用重機の講習会に通う。
 現場で指導に当たる中村聡志さん(40)もIターン者だ。八年前、千葉県木更津市からやって来た。「ひたむきですね。素直だから覚えるのが速い。私の駆け出し時代とは大違いです」と笑う。
 「一生の仕事に決めました。早く、自分で判断し行動できるようになりたい。頑張ります」。そう語る山田さんに、村松組合長は「将来は設楽町で家庭を持ち、請負業者として独立してほしい」とエールを送った。
 (鈴木泰彦)