国の文化審議会は二十一日、越前和紙の「越前鳥の子紙(し)」を新たに重要無形文化財に指定し、その技術継承に取り組む「越前生漉(きずき)鳥の子紙保存会」を保持団体に認定するよう松野博一文部科学相に答申した。県内での重要無形文化財は同じく越前和紙の「越前奉書」に次いで二件目。
 鳥の子紙はジンチョウゲ科の植物の雁皮(がんぴ)を材料に漉(す)いた紙。その名は卵の殻の色に由来する。紙の表面は滑らかで耐久性に優れ、虫害も少ないことから、経典や貴重な書物などの用紙として愛用されてきた。いつから漉かれていたのかは不明だが、室町中期の日記に越前の土産に「鳥の子」との記述がある。
 雁皮は繊維が細かく短いため、繊維の損傷部や不純物を手作業で取り除くなど原料加工に時間がかかる。その手間を惜しまず、複数の工程を丁寧にすることで、緻密できめが細かく美しい風合いの紙が出来上がる。越前市の産地で古くから伝統的な道具、技法を用いて作られていることなどが評価された。保存会は越前鳥の子紙を伝承し、技術向上と保存を図ろうと二〇一五年三月に設立。昨年一月には越前鳥の子紙が県指定無形文化財となり、保存会も技術保存団体に指定された。
 登録有形文化財では福井市自然史博物館旧館(同市足羽上町)を登録するよう答申。県内での登録有形文化財は百八十三件となる。

 (清兼千鶴)
◆ユネスコ文化遺産目指す
 <西川一誠知事の話> 地元や私たちの熱い願いが実を結び、歴史ある「越前鳥の子紙」が、国重要無形文化財に指定されることとなり、心からうれしく思う。
 今回の指定を大きな一歩とし、優れた品質や幾世代にもわたり、受け継いできた伝統の技に、さらに磨きをかけ、ユネスコ無形文化遺産への登録を目指していく。