ニホンザルによる農作物の食害や住宅への侵入などの被害が、安曇野市堀金岩原地区で相次いでいる。二〇一五年に設置した電気防護柵も、花火や犬による追い払いも目立った効果が出ていない。日常生活への被害が後を絶たない状況に、住民は被害者同盟を組織して二十四日、国や県、市に対し電気柵の増設などサルの侵入防止対策徹底を陳情する。
 被害対策を訴えているのは、同地区の約二百戸でつくる「岩原猿害被害者同盟」。代表の山口裕さん(68)によると、地区内の農業被害は特産のリンゴなど果樹を中心に麦や野菜など幅広い。
 山際にある山口さん宅は築約三百年の古民家。天和−貞享年間(一六八一〜八八年)に造られたという庭園は県の名勝に指定されている。しかし、一年に百日近くもサルが現れるといい、屋根瓦が落ちたり、白壁の塀が壊れたり、大切な庭木が折られたりと被害は甚大だ。
 住民総出で設置した電気柵も、地区内の国営アルプスあづみの公園や道路、河川で分断されており、サルの侵入防止効果がないという。二十四日の陳情では「公園外周柵にサル用の電気柵を増設」や「公園と烏川右岸の間に電気柵設置」などの対策を訴える。
 県松本地域振興局林務課によると、安曇野市西部の山沿いには三十〜五十頭の群れが五つほどあり、入れ替わりで里に出没している。同局管内のサルによる農業被害(一六年度)は六百三十万円余で、同市では約百五十万円に上っている。
 (野口宏)