16年度 前年度から急伸 313件
 木造住宅の耐震診断にかかる経費を補助する富山県の支援制度の利用実績が、二〇一六年度は三百十三件となり、前年度の百八十四件から七割近く増加したことが、本紙の取材で分かった。県内は全国的にも地震が比較的少ないとされるが、呉羽山断層帯などによる地震被害が想定される。こうした現状を踏まえ、県はさらなる制度活用を呼び掛けている。(山中正義)
 昨年四月に起きた熊本地震による関心の高まりが、利用実績の大幅増につながったとみられる。県によると、これまでも東日本大震災が発生した一一年度に四百七十二件、能登半島地震があった〇七年度には四百四十六件と、大規模な地震災害の後、補助の申請が伸びた経緯がある。
 制度は「県木造住宅耐震診断支援事業」。〇三年に始まり、今年三月末までの利用実績は累計二千七百三十二件に上る。対象となるのは、木造一戸建ての二階建て以下で、一九八一年六月の耐震基準見直し以前に建てられた建物。県が診断費用の九割を負担する。住宅の規模によるが、自己負担額二千〜六千円で、建築士の診断を受けられる。
 県建築住宅課によると、一三年の県内の住宅総数は三十七万九千八百戸で、耐震化率は72%。木造一戸建て住宅は二十九万二千五百戸あり、そのうち十万千九百戸(35%)は耐震性が不十分という。県は二五年までに全住宅の耐震化率90%達成を目標に掲げる。
 同課の担当者は「自然災害は予測できない。耐震化を進めるため、制度を活用してほしい」と話す。
 県は耐震診断に加え、木造住宅の耐震改修も支援しており、経費の三分の二(最大六十万円)を市町村とともに補助している。