伊勢市二見町江の水族館「伊勢シーパラダイス」で、4月に生まれたツメナシカワウソの赤ちゃん2匹が22日から一般公開された。2匹とも病気がちで、飼育係の小野田忍さん(41)が裏側の飼育用施設でつきっきりで世話をしていた。1カ月ほど前からともに元気になったことから展示に踏み切った。
 二匹は雄で、ともに体長六五センチ、体重四・五キロ。この日、営業開始前に展示スペースに入れられると、飼育係にかみついたり、動き回ったりして愛らしい姿を見せた。訪れた夏休み中の子どもらが、近くに掲示された生まれた直後の二匹の写真と見比べていた。
 小野田さんによると、二匹は感染症にかかり、生後八〜十一日でミルクを飲まなくなったり、鼻から出血したりしてずっと体調がすぐれなかった。
 人工保育で三時間ごとにカワウソと種が近いネコ用のミルクを与え、排せつを手伝う必要があり、小野田さんが自宅に連れ帰って面倒を見ることもあった。回復してからはミルクのほかに離乳食を与え始めている。大人になると体長は一〇五〜一二〇センチ。小野田さんは「公開が大きな目標だったので、ほっとしています」と話す。
 ツメナシカワウソは繁殖が難しいことから国内で九匹しか飼育されておらず、うち赤ちゃんを含む五匹がシーパラダイスにいる。別の展示スペースにいる大人のツメナシカワウソは、来場者と前足で握手ができると人気だ。生後一年未満の赤ちゃんを見られるのは珍しく、二匹が元気なら今後、来場者がミルクを飲ませる体験も企画する。(問)伊勢シーパラダイス=0596(42)1760
 (大島康介)