「借りを返す」。中京学院大中京は昨夏、同じ四回戦で敗れた因縁の相手。「先輩たちの分までリベンジしたい」。昨夏もバッテリーだった岐阜城北の小池祐太投手(三年)と上野貴翔捕手(同)は、いつも以上に高ぶっていた。
 一年秋からバッテリーを組む。上野捕手は「小池に気持ちが入っているのが伝わった」と話し、同時に「力んでいるのも分かった」。ピンチになると、いつも以上にタイムを取り、笑顔で背中を押した。小池投手は初回に1点を失ったが、その後は走者を出しながらも要所を締めた。決め球のスローカーブを狙われているとみるや、直球主体の投球で優勝候補と、堂々と渡り合った。
 九回は先頭に死球を与え、盗塁も許して1死二塁。「落ち着いて投げてこられた。絶対抑えてやろう」。小池投手は直球で勝負したが、三塁手の頭上を越され、悔しそうな表情で決勝打の行方を追った。
 最後は相手に上回られた。それでも、6失点した昨夏に比べ、自分たちの成長も感じられた。上野捕手が「うまくリズムを崩しながら相手を苦しめる良い投手」とたたえれば、「上野の配球に従えば抑えることができる」と小池投手。試合中からあまり表情を変えなかった小池投手が、照れくさそうに笑った。

 (下條大樹)