加賀市の宮元陸市長が一期目に掲げたマニフェスト(政策提言)を検証するマニフェスト検証大会(早稲田大マニフェスト研究所主催)が二十三日、同市山田町のセミナーハウスあいりすであり、市民ら約百五十人が参加した。同研究所によると、北陸三県での開催は初めて。(古田秀陽)
 大会では早大政治経済学術院非常勤講師で、同研究所の中村健事務局長がマニフェストの検証を行っている自治体が全国的にも少ないことなどを紹介。関東学院大法学部地域創生学科の牧瀬稔准教授が評価の方法や、就任四年目となる宮元市長の場合、百点満点で七十五点以上が及第点となることなどが説明された。
 検証では市長自身による自己検証と、牧瀬准教授を含む学識者五人による外部検証の結果が発表された。宮元市長は提言で掲げた五十五項目のうち、完了、実施中の政策が五十二項目とし、力を入れてきた子育て支援策などを挙げながら、全体の評価を百点満点で七七・三点とした。
 ただ、加賀温泉−金沢間の観光列車運行や加賀看護学校の教育機能拡充、水道料金値下げの三項目については検討、見直しが必要とし、最大の課題である人口減少対策は「人口は増えておらず、まったく成果を出せていない。身を捨てて一生懸命やっていくしかない」などと述べた。
 外部検証の結果では、牧瀬准教授が百点満点で八七・二点で「全体としては良い評価」と発表。やや評価が低かった点として「観光イベントの企画、立案に若者の参加が不十分」「九谷焼、山中漆器などの商品開発では、新たな地域ブランド化には至っていない」などの学識者の指摘が紹介された。
「改善に検証必要」評価の准教授
 首長が掲げるマニフェストの検証について、牧瀬准教授は神奈川県内の三十三自治体を対象に独自の調査を行った結果、外部検証を導入しているのはわずか12%で、58%は内部検証もしていない状態とする。行政では計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、改善(Action)のPDCAサイクルを意識することが重要とし、「評価がなければ改善ができず、それが次期の計画にも影響する。評価、検証がないと自治体の発展は望めない」と指摘。首長の任期が長くなればなるほど評価を怠る傾向が見られるという。
 中村健事務局長は「選挙の際の約束が果たされているかを検証しないまま行政運営が繰り返されるのは、政策のやりっぱなし、公金の使いっぱなしが続くこと。そうやって寂れた地域ができていった。検証を行うことはそれを抑止する力にもなるはず」と話した。