いなべ総合の先発、赤木聡介投手(三年)は打者8人に対し、被安打4、失点3でマウンドを降りた。昨夏の甲子園を経験した投手は、大けがを乗り越えて再び夏の舞台に戻ってきたが、「三年間で一番悔いの残る試合。チームのみんなに申し訳ない」と涙交じりに語った。
 昨夏、赤木投手は甲子園で3試合に登板。大会後はエース渡辺啓五投手(同)との二枚看板としてチームを引っ張る予定だった。
 しかし一月に学校のスキー合宿中の事故で骨盤骨折などの大けがを負って入院。二週間、寝たきりとなった。「もう一度野球がしたい」との一心でリハビリに励み、五月にチームに合流。六月にようやく練習試合で登板できるように回復した。
 「全力で投げてこい」。尾崎英也監督から先発を告げられたのはこの日の朝。「捕手のミット目がけて投げ込むだけ」と一回は無安打に抑えた。二回、先頭打者を出すと、次打者への2球目。低めに外すつもりが甘く入った球を振り抜かれ、スタンドへ。その後も連打を浴び、二回1死で降板した。
 「甘いストライクばかりだった」と反省しつつ、「言い訳をするのは嫌。努力不足です」とけがの影響は否定した。
 大会連覇の夢は途絶えた。「後輩にも甲子園へ行ってもらいたい」。大舞台の景色を知る先輩として、夢の続きを託した。

 (芝野享平)