名古屋市港区の名古屋港水族館で、水族館生まれのベルーガ(シロイルカ)の国内飼育最長記録を更新している雌の「ナナ」が、二十五日に十歳の誕生日を迎える。子どもから大人へと成長していく年ごろで、遊び心で新たな技を覚えて来館者を魅了する一方、繁殖への期待も高まっている。
 口にボールをくわえてナナが水中に潜る。水しぶきを上げてジャンプしながら空中へボールを放り出し、観客を沸かせた。「キャッキャ」と鳴きながらボールで遊ぶ姿には、あどけなさが残る。
 「玩具が大好きで遊びの天才なんです」と飼育係の森朋子さん(40)。ボールやリングをバケツに入れる「お片付け」は、日ごろの遊びの中から生まれた技だ。
 繁殖を見据えて水族館は昨夏、雄のベルーガ「ニコ」(推定九歳)を加えた。森さんは「年下を意識するようになって、急に大人っぽくなった」と話す。ニコをリードする姿も見られ、母親の「タアニャ」(同二十二歳)に似てきたという。
 ただ、今春の繁殖期は成功しなかった。森さんは「一年かけてさらに大人になり、来年は母になってほしい」と期待する。

 (藤矢大輝)