「ここは通過点。こんなところで負けてたまるか」。水口の人見純伍主将(三年)は、仲間を鼓舞しようと、三塁の守備位置やベンチからひたすら叫び続けた。
 奪三振で響く威勢のいい「よっしゃあー」は、人見主将の声。打者に「来いやバッター」と叫んで腰を落とし、不利になれば「ベンチ、声出せ」と手ぶりを交えてあおった。
 昨夏はベンチ外。井ノ尾秀徳監督によると「ベンチ入りしていた三年生から『人見の声に元気づけられるから、人見をベンチに入れてほしい』という声もあった」。その三年生が引退後、新チームの主将になった。
 「プレーだけでなく、それ以外の振る舞いでもチームを支えたい」。宮脇裕士投手(同)が四球を出せば、そばに駆け寄り「この試合は、俺がいっぱいタイムをかけて声を掛けにいく。だから、思い切って投げろ」と励まし続けた。
 練習試合で負け続けたチームの士気の低下や、主将のプレッシャーに「この一年は本当にしんどかった」と振り返る。「試合中の雰囲気やプレーに助けられた。付いてきてくれた仲間のおかげ。ただありがとうと言いたいです」と夏を締めくくった。

 (高田みのり)