全国へ 「一日一日が大切」
 陸上の砲丸投げなど投てき種目で年代別の日本記録を持つ中川幸吉さん(85)=小松市古府町=が、金沢市で二十九、三十日に開かれる全国大会「石川マスターズ混成陸上競技選手権大会」で、ハンマー投げの八十五〜八十九歳(M85)における世界記録に挑む。(竹内なぎ)
 中川さんは八十五歳になった直後の昨年九月、ハンマー投げのM85で30メートル06の日本記録を出した。世界記録は33メートル18。M85の年代に入り、当時のM80(八十〜八十四歳)より16メートルほど世界記録が下がり、目標がぐっと近づいた。
 出場種目は投てき種目に特化した重量五種競技で、中でも一番楽しく記録が狙えるハンマー投げに狙いを定めてきた。ほぼ毎日三時間、小松市末広陸上競技場でひたすらハンマーを投げている。
 幼い頃から短距離走が得意で、社会人になってからも市代表として県大会で活躍。五十歳で初出場したマスターズ陸上の短距離で入賞してからのめり込んだ。六十五歳の時、短距離の記録が伸び悩むようになり、投てき種目に取り組んだ。経験がなく、市の陸上大会で審判をしながら学び、八十歳からはハンマー投げに本格的に挑んでいる。
 「年齢的に体は衰えていくはずなのに、記録が伸びると自分の中に若さを感じられる」と魅力を語る。八、十月にも大会を控え、世界記録に挑み続ける。
 七十代で狭心症を患い、医者には無理をしないように言われた。仲間の中には亡くなったり、健康上の理由で出場をやめたりする人もいる。
 だからこそ「一日一日が大切で、先のことは考えていられない。日々1センチでも記録を伸ばすだけ」と力を込めた。
 重量五種 ハンマー投げ、砲丸投げ、円盤投げ、やり投げ、重量投げの5種類からなる。重量投げは、ハンマーや砲丸より重い器具を投げる種目。ハンマーと同様の投げ方だが、鎖の部分がハンマーより短い。