◆湖西のパチンコ店
 パチンコ店駐車場で車内に当時一歳十一カ月の長男を放置し死亡させたとして、湖西署などは二十五日、保護責任者遺棄致死の疑いで、父親で湖西市新居町中之郷の会社員村田尋紀(ひろき)容疑者(25)を逮捕した。署は認否を明らかにしていない。
 逮捕容疑では、今月八日午前十一時〜午後一時ごろ、湖西市内のパチンコ店屋外駐車場に止めた乗用車内に、長男の陸ちゃんを放置して熱中症で死亡させたとされる。
 署によると、村田容疑者は妻と陸ちゃんの三人暮らし。村田容疑者は妻に「子どもとドライブに行く」と言って二人で外出。二時間ほどパチンコ店内で過ごしたとみられる。車に戻り陸ちゃんがぐったりしているのを確認したが、そのまま車で帰宅。妻が一一九番した。陸ちゃんは浜松市内の病院で死亡が確認された。陸ちゃんはTシャツに半ズボン姿だった。
 八日の湖西市は快晴で、最高気温は三二度だった。
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 友人らによると、村田容疑者は湖西市内の自動車部品製造会社に勤務。妻は看護師で、陸ちゃんは浜松市内の保育園に通っていた。
 園長によると、陸ちゃんは明るく活発で、上の年齢の子からもかわいがられていた。村田容疑者が迎えに来る日もあり、うれしそうに帰っていたという。園長は「子煩悩という印象だった」と話す。
 近所の女性は、村田容疑者が土曜日に子どもを抱いて妻と三人で仲良く外出する様子を何度か見た。「普通の家族という感じ」
 「子どもの元気な声がよく聞こえた」。そう話す隣人男性(38)も、週末に村田容疑者が子どもと二人で出かける姿をよく見かけた。「二週間ほど前か、子どもの声が聞こえなくなり、ベランダに子ども服も見なくなった。入院でもしたのかと思っていた。車内に置き去りにするような人には思えない」と驚いていた。
◆晴天下の車内40度超 「絶対ヤメて」
 日本自動車連盟(JAF)は二〇一二年、室温を二五度にした自動車の窓を閉め切り、気温三五度の晴天下に置く実験を行った。その結果、エンジンを止めてから十五分で人体にとって危険な状態になった。三十分後には車内は四五度に達し、窓を三センチ開けた場合でも、四〇度まで上昇した。
 子どもが車内に閉じ込められた解錠の救援出動は昨年八月の一カ月では、全国で二百九十七回、静岡県内で九回あった。JAF担当者は、子どもは体温の調整が未熟だとして「夏場は特に、どんな状況でも子どもを車内に残さないことが大事」と指摘する。
 今回の事件が起きたとされる湖西市内のパチンコ店では、以前から全ての出入り口に赤ちゃんの写真とともに「絶対にヤメて子供の車内放置」と書いた看板を置いている。店内にポスターを張り、アナウンスもしているという。店長は「啓発しているのだが、非常に残念」と話した。