四十回目のオートバイレース「鈴鹿八時間耐久ロードレース(鈴鹿8耐)」が二十七日から四日間、鈴鹿市の鈴鹿サーキットで開かれる。真夏の祭典として長年親しまれる「8耐」とはどんなレースなのか。節目の見どころとともに紹介する。
 一九七八(昭和五十三)年に始まった8耐は、その名の通り日中から夜間にかけての八時間レース。一台のオートバイを二、三人のライダーが乗り継ぎ、一周五・八キロの国際レーシングコースの周回数を競う。原則午前十一時半スタート。午後七時半時点のトップチームがゴールに到達した時点で終了となる。
◆現代のお伊勢参り
 サーキットでは一九六二年の完成以降、二十四時間などの耐久レースが実施されてきた。石油危機(オイルショック)の影響で七四年から自粛されたが関係者らの要望で七七年、全日本選手権を兼ねた六時間耐久レースが復活。その前年にホンダのチームが欧州選手権で優勝したことで「国際的な耐久レースを」との機運が高まり、現在の8耐が始まったといわれる。
 昼間の暑さと闘った各チームのマシンが夕暮れにヘッドライトを輝かせ、ゴール後の花火が大会を彩るという8耐のスタイルは、参戦チームやファンらが感動をともに味わう雰囲気を醸し出し、人気が上昇。サーキットを舞台に小説を書いたこともある作家五木寛之さんは8耐を「現代のお伊勢参り」と称した。
◆人気回復かなうか
 観客動員数がピークに達した九〇年には、期間中に延べ三十六万八千人余が楽しんだ。オートバイ人気の低迷やバブル崩壊などで観客数は減少に転じ、一時は十万人台になったが、世界選手権の元王者らの参戦などもあって近年は復調傾向。最盛期には及ばないが、昨年は十二万四千人。四十回の節目に関係者の期待は膨らむ。
◆初の選手権最終戦
 世界選手権の最終戦に初めて設定され、年間王者が決まる今回の8耐には現時点で六十八チームが出走予定。昨年、二百十八周で優勝したヤマハが三連覇を果たせるかが注目点だが、今季の同選手権シリーズで経験値を高めた「TSRホンダ」、九年ぶりに参戦する「モリワキモチュール」など鈴鹿のチームにも期待が高まる。
 同市のNPO法人「鈴鹿モータースポーツ友の会」の中野能成(よししげ)事務局長は「一般スポーツでいう五輪やワールドカップが三重県、鈴鹿市に毎年やってくるようなもの」と8耐の魅力を強調。「直線のスピード争い以外にも、複数のカーブを華麗に走りきるライダーの姿は美しい。コース外では音楽イベントなどもあり、初心者や若い世代も楽しめる」と話した。
 (山本克也)