三重のエース定本拓真投手(二年)は決勝の舞台でリベンジに燃えていた。津田学園は、春の県大会で3失点を喫した相手。「これ以上点はやらない」。1点を追う三回、二番手としてマウンドに上がった。
 先頭を二ゴロに打ち取ったが、続く打者に振り逃げを許すと動揺してしまった。四球や暴投で進塁を許し、2死二、三塁のピンチ。甘く入った決め球の直球を狙われ、2点を奪われた。
 思い描いた結果とは違う現実に、下を向きそうになったとき、マウンドに駆け寄ってきた先輩から「苦しい顔をしていても苦しくなるだけ。自信のある球を投げろ」と笑顔で背中を押された。
 「引きずっていても三年生に迷惑をかけるだけ」。再び心を奮い立たせた。次打者を中飛に打ち取り、以降、八回途中に降板するまで、得点を許さなかった。
 それでも甲子園への切符を逃し、自身も2失点という結果には、悔しい思いしかない。「来年、もし津田学園と当たったらしっかり倒したい。そして、春夏で甲子園に行きたい」。二年生エースは再起を誓った。

 (目黒広菜)