相手投手の制球の乱れを逃さなかった。四球で出した走者を安打で返す効果的な攻めで、敦賀が流れをつかんだ。
 相手は前沢佑哉(三年)、大塚理功(りく)(同)両投手の継投で勝ち上がってきた武生商。投手が違っても、吉長珠輝監督の指示は一つだった。「打者それぞれが得意なコースで待つ」。三回は連続四球の後に細川生羽(せいは)(同)、田辺愛斗(まなと)(二年)両選手が連続適時打。四回も四球の走者を犠打で二進させた直後に桜井虎太郎選手(一年)の適時二塁打が飛び出した。
 握った主導権はエース深山航(みやまわたる)投手(三年)が渡さない。直球、カットボール、スライダーなど多彩な変化球を内外角に投げ分けた。先頭打者の出塁を許したのは一回と九回のみ。八回までは三塁を踏ませなかった。
 「コースを予測され、打たれてしまった」と振り返る九回は、この試合唯一の四球も与えてピンチを広げた。1点差まで詰め寄られたが、冷静さを失わず最後の打者を三振に切って取った。
 一九九九年以来となる決勝の相手は、吉長監督と同じ福井商OBの川村忠義監督が率いる坂井。指揮官対決も注目される中、吉長監督は「持っている力を全部出し切りたい」。十八年ぶりの甲子園を目指し、大一番に臨む。

 (笠松俊秀)