小説家住野よるさん原作の「君の膵臓(すいぞう)をたべたい」(二十八日公開)や司馬遼太郎さん原作の「関ケ原」(八月二十六日公開)をはじめ、映画やテレビドラマなどのロケが、彦根市内で増えつつある。市民団体「彦根を映画で盛り上げる会」が行政と連携して中心となって取り組み、撮影地としての魅力が製作者側にも認知されているようだ。
 会は、撮影関係者への炊き出しや宿泊施設の確保、エキストラ集めなどを手掛ける。映画「一命」の公開をきっかけに市民ら十人が集まり、二〇一一年に発足した。グッズ食品の販売、劇中使用の甲冑(かっちゅう)の展示を進めた。一二年には「だいじょうぶ3組」のロケサポートや「のぼうの城」の関連イベントを催してきた。
 湖東地域で撮影された「君の膵臓をたべたい」では、暑さ対策として氷を用意したり、彦根城などでロケがあった「関ケ原」にも携わった。代表の目加田宗彦さん(49)は「ロケを迎えることで、市民にも受け入れる気持ちが生まれ、観光客の受け入れ態勢に期待ができる」と話す。
 滋賀ロケーションオフィスによると、映画やドラマをはじめ、CMなどの撮影は、県内では二〇一三年度の八十九件から、一六年度には百十一件に増加。製作関係者が繰り返し訪れるほか、雑誌などの紹介で認知度が高まっているという。市フィルムコミッション室によると、市内では一三年度(十月〜翌年三月)は映画やドラマなどが九件で、一六年度にはCMや旅番組なども含めると七十件を超えたという。
 国内外のロケ地や映画情報を伝える「ロケーションジャパン」編集長の山田実希さん(40)は、彦根をはじめとする県内ロケの増加の要因を「ロケーションオフィスの実績や、官民一体での支援体制が大きい」と分析。「京都に近いからという理由ではなく、滋賀の魅力が認知されてきている」と評価する。
 目加田さんは「今後は、ロケのコーディネートがビジネスにつながる仕組みを整えたい」と意気込む。
 (木造康博)