総合機械メーカー、不二越(富山市)の本間博夫会長(71)が「富山で生まれた人は極力採らない」と発言した問題で、本間氏は二十五日付で自社ホームページ(HP)に「私の発言の一部に不用意で不適切な表現があり、多くの皆様にご迷惑をおかけして、深くお詫(わ)び申し上げます」とするおわび文を掲載した。この問題で本間氏がおわびを示したのは初めて。発言自体は撤回しておらず、会見の予定はない。
 採用方針については、十三日付でHPに掲載した「富山県出身者から多くの応募があるが、さらに全国から募集して、分け隔てなく人物本位で採用する」とした内容の通りとし、二十五日付のHPでは「皆様にはご理解を賜りますよう、心よりお願い申し上げます」と添えた。
 広報担当者は「いろいろとご意見を賜ったので改めて発表した」と説明した。
 問題の発言は、今月五日にロボット開発の強化で富山市と東京の二本社制をやめて、八月に東京に一本化する方針を発表した際に出た。研究開発の人材を国内外から採用する必要性を強調した上で「富山で生まれて富山で幼稚園、小学校、中学校、高校、不二越、これはだめです。変わらない。偏見かも分からないですが、閉鎖された考え方が非常に強い」「富山で生まれて地方の大学に行った人でも極力採らない」と述べ、「ワーカーは採ります」と語ったほか、富山出身者は「優秀な人が多い」とも話した。
 発言を巡っては富山県が二十一日、富山労働局に、公正で公平な採用をするよう適切な対応を求めて要請。労働局は今月中に不二越への対応策を示す。
 不二越は一九二八年に創業し、東証一部に上場している。本間氏は東京都出身で青山学院大卒。七〇年に入社後、二〇〇九年から社長を務め、今年二月に会長に就いた。 (嶋村光希子)