第九十九回全国高校野球選手権静岡大会は二十六日、静岡市駿河区の草薙球場で藤枝明誠−日大三島の決勝があり、藤枝明誠が23−10で初優勝を飾った。八月七日に甲子園球場で開幕する全国高校野球選手権大会に初出場する。

 決勝は午後一時に始まり、藤枝明誠が序盤に大量点を入れる一方的な展開で進んだ。七回表の藤枝明誠の攻撃中、激しい雨が降りだして試合は一時中断。天気の回復を待ちながら約三時間後に再開され、両チームが得点を奪い合う打撃戦の末、藤枝明誠が打ち勝った。試合時間は中断を含め五時間二十四分だった。
◆闘志、雨にも途切れず 3時間中断
 「ずっと目指していた甲子園に、やっといける」。大粒の雨にぬれながら、ナインらが雄たけびを上げ、ガッツポーズした。二十六日、草薙球場(静岡市駿河区)であった高校野球静岡大会決勝は、藤枝明誠が日大三島を23−10で破り、初の甲子園切符をつかんだ。
 決勝は、12−2と藤枝明誠が大きくリードした七回表途中から、豪雨の影響で試合が二時間五十六分も中断する異例の事態に。静岡地方気象台によると、この日、球場周辺の上空は積乱雲が発達し、気象台は昼前から同球場を含む静岡市南部に大雨注意報を発令。中断中の午後三時〜四時は一時間で三〇〜四〇ミリのバケツをひっくり返したような激しい雨が降った。
 両チームの選手や観衆からは、試合再開を望む声や、選手の体調を考え、試合を中止して再試合を求める声が交錯した。
 大会細則では、決勝戦は、日没や降雨などで試合途中で中止となった時は再試合を行うとしている。中断中、日大三島の新井将貴選手の母美紀さん(44)は「正直なことを言えば、お互い良いグラウンドの状態でやってもらいたい。(雨が)やまないなら延期した方がいいと思う」と話した。
 一方、藤枝明誠の応援団長を務める安西葵さん(17)は「これだけ点差があるので、できれば中断してほしくない。半分の生徒が帰ってしまったが、再開したらとにかく全力で応援したい」と続行を祈った。
 中断から約二時間後、大会本部役員や、両校のベンチ外選手が水をスポンジで吸い上げたり、土を足したりしてグラウンドの回復に努めた。
 藤枝明誠のエース久保田蒼布選手は、再開後の七回以降、降り続ける雨の影響で手が滑り、制球が乱れ、8失点を喫した。それでも、静岡相手に無失策を記録した鉄壁の守備に支えられ、最後はマウンドでチームメートに駆け寄られ、真っ白な歯を見せた。
 約三時間に及ぶ中断について、決勝を民放テレビで解説した元浜松商業監督の上村敏正さん(60)は、「全国大会では中断は二時間が目安だが、点差があれだけあったのでは試合を止められない。異例中の異例だ。ただ、高野連の判断は当然で、仕方ないだろう」と振り返った。大会委員長を務める木村政彦県高野連理事長は「データで天気が回復する見込みがあったので、再開する方向で待った。試合を両チームの選手が最後まで一生懸命やり遂げてくれ感謝したい」と話した。