カメラ、通報装置 導入続々
 相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で十九人が殺害されるなどした事件から二十六日、一年を迎えた。北陸地方の障害福祉施設でも防犯カメラや緊急通報装置を新設する動きが広がっている。一方、「障害者への理解が進み、偏見をなくすことが最も重要」との声も上がる。(蓮野亜耶、木許はるみ)
 石川県七尾市の社会福祉法人「徳充会」では運営する「県精育園」(同県穴水町)など二施設で昨年秋、県警の協力で初めて防犯訓練をした。不審者が施設に入ってきた場合の職員の動きや、警察への通報の仕方など防犯マニュアルを見直し、防犯カメラも増やした。担当者は「これまで自然災害しか想定していなかったが、侵入者対応訓練も定期的に行い、預かった命を守っていきたい」と話す。
 施設が利用したのは、障害者施設に防犯カメラや非常通報装置を設ける整備費補助金。県が今年三月に補助金の枠に防犯対策費を新設した。対策費の四分の三を国と県で負担する。
 この制度を使い、石川県内の二十六施設で防犯カメラやボタンを押すだけで警察に通報する非常通報装置を導入した。金沢市も同様の助成があり、一施設が防犯カメラを設けた。
 富山県は昨年十一月から国の補助を受け、施設の防犯設備に助成をした。入所型の全三十一施設のうち、十一施設が、防犯カメラやオートロック、非常用通報装置、フェンスを助成を受けて設けた。
 氷見市で知的障害者の入所・通所施設とグループホームを運営する「野の草会」は事件後、オートロックや防犯カメラを設置。グループホームの防犯カメラは、事件の影響を心配した保護者会が整備費を集めた。
 企業の防犯対策を提案する「ダイワ通信」(金沢市)では、障害者施設の防犯診断や防犯カメラの設置に関する問い合わせが数件あった。担当者は「事件が外部からの防犯を考えるきっかけになった面がある」と話している。