喬木村出身の児童文学者椋鳩十(一九〇五〜八七年)を広く知ってほしいと、同村の椋鳩十記念館の大原文男館長(65)は、五年前から作品の大型紙芝居を作っている。没後三十年の今年はエッセーを題材に手がけ、八月二十日に同館で開く椋文学夏期講座で発表する。
 大原さんは元豊丘南小校長で美術が専門。館長に就任した五年前から「読書以外で、小学校低学年にも分かりやすく、椋文学を伝える手だてはないだろうか」と考え、子どもたちが好きな紙芝居に注目した。
 紙芝居の大きさは縦六十センチ、横九十センチ。文章はそのまま使い、大原さんがイメージに合う絵を描く。これまでに童話「かものひっこし」など三作品を完成させ、六月からエッセー「生きておったんな!」に取り組む。
 エッセーは、椋が戦後に飯田市の遠山郷の住民と久しぶりに再会し、感じた真心や地方言葉の美しさを書く。大原さんは「椋鳩十を知らない世代が増えている。生きることや読書の大切さを訴えた椋の思いを受け継ぎたい」と話している。 
 (石川才子)