エースにとって悔しい決勝のマウンドとなった。中京学院大中京の古田星投(しょうと)投手(三年)は五回途中、3点目を失ったところで交代を告げられ、ベンチに下がった。
 春の県大会決勝で敗れた大垣日大との再戦に備え、新たにカットボールを習得した。今大会では「隠していた」といい、準決勝でも投げたのは数球。球種を増やしたことで、序盤は狙い通り相手打線に的を絞らせなかった。
 それだけに、悔いたのが「緊張した」という一回。四球で出した先頭打者を詰まった当たりでかえされ、先制を許した。さらに五回は生命線の変化球が高めに浮き、この回、途中で降板。「流れをたぐり寄せる投球ができなかった」と唇をかんだ。それでも「野手や後を投げる投手への声出しをしよう」と気持ちを切り替え、ベンチで声をからした。八回は無死一塁で伝令に走り、制球が定まらず苦しむ三番手の不後祐将(ゆうま)投手(一年)を、笑顔で勇気づけた。
 「星投」の名は同校の前身、中京商のエースだった父弘城さん(49)が「投手でスターになってほしい」と名付けた。力を出し尽くし、その名の通り輝いた右腕は「悔いはない」と短く言い切った。
 (斎藤航輝)