立山黒部の世界ブランド化推進会議の作業部会が二十八日、富山市内であり、宿泊施設の整備やアルペンルートの開業時期を固定するルール化などを話し合った。県が「ハイグレードな宿泊施設の整備を検討する」という立場を示したのに対し、委員の立山山荘協同組合の佐伯千尋理事長は「一部の人のために自然を占有していいか」と慎重な姿勢を求めた。(木許はるみ)
 作業部会は、県や立山黒部貫光など、事業者や行政の関係者で構成。県や同社が昨年から協議してきた二十八事業のうち、十一事業の課題を協議した。
 宿泊施設は、新築や建て替え、既存施設の高付加価値化を検討。同社は八月以降に、宿泊事業者に客層や課題を調査し、利用者にも需要をアンケートする考えを示し、来年四月から改善策を各施設で実施する計画を提案した。
 佐伯委員は「山小屋は、アルペンルートができる前から営業している。アンケートをする旨を山小屋に丁寧に説明を」と求め、「上質な宿泊施設はすでにあるのでは」と疑問視した。
 アルペンルートの開業時期を固定するルール化案には、環境省長野自然環境事務所の中山隆治所長が「開業日が分かりにくいという理由で、ルールを作ったら、人命の軽視。危険性があればブランドを傷つける」と指摘し、科学的な知見に基づいた検証を要望した。
 県は、従来の立山カルデラの体験学習会を旅行商品化し、十一月までに料金を決める方向性を示した。立山砂防事務所の金子秀樹副所長は「土砂崩落もあり、利用者の安全確保はどうするか」と対策を求めた。
 県は、次回の部会を九月にし、十月に推進会議を開く。会議に出席した関西電力北陸支社の二階堂智朗総務部長は、工事用の「黒部ルート」の旅行商品化について、次回の推進会議で、「何らかの形で(考えを)示したい」と話した。