富山県内に生産拠点を置く総合機械メーカー、不二越の本間博夫会長が「富山で生まれた人は極力採らない」などと発言した問題で、富山労働局は二十八日、本人の適性や能力を基準に公正に採用するよう、文書と口頭で同社に要請したことを明らかにした。
 文書は富山県の石井隆一知事との連名。労働局によると、二十六日に不二越の人事担当役員を同局に呼び、山崎英生局長が「労働、教育界に不安と動揺が広がっている」と懸念を表明。高卒者や大卒者らの採用に関し、本人に責任のない出生地や家族構成を問わない公正な選考を求めた。
 不二越側は本間会長の発言の真意については触れず、「今まで公正な採用をしてきた。これからも人物本位で採用していきたい」と説明。要請には「本間会長にしっかり伝える」と述べるにとどまったという。
 要請は、県から適切な対応を求められたのを受けて行った。労働局は、県内のハローワークに高卒者の求人を出している事業所約三千社にも、不二越に渡した文書と同様の要請文を近く送る。 (山本真士)