幕末から明治を生き、圧倒的な画力で多種多様な作品を残した絵師河鍋暁斎(きょうさい)(一八三一〜八九年)の画業を振り返る「これぞ暁斎! ゴールドマン コレクション」(北陸中日新聞、石川テレビ放送など主催)が二十九日から金沢市の石川県立美術館で始まる。
 女性の顔立ちや個性をとらえた美人画、役人の腐敗を痛烈に描いた風刺画、ユーモラスな動物の絵…。専門家が「これだけの画題を描けるのは日本で唯一」と評する暁斎の作品を、英国在住の画商イスラエル・ゴールドマン氏の所蔵品から約百八十点を紹介する。
 日本初公開の「鬼を蹴り上げる鍾馗(しょうき)」は中国の英雄鍾馗が鬼を高く勢いよく蹴り上げる。三十三もの妖怪が描かれた大迫力の「百鬼夜行図屏風(びょうぶ)」や、遊女の地獄太夫と禅僧の一休との問答を描いた「地獄太夫と一休」などの代表作も。
 「酒中画鬼」の画号もあった暁斎は、酒を飲みながら筆を走らせた一方、骸骨を描くために解剖学を学んだり、大量の下書きをしたりと勉強熱心でもあったという。展覧会を監修した日本女子大の及川茂名誉教授は「権力を嫌い、作品はウイットとユーモアに満ちている」と話した。
 三十日午後二時から及川名誉教授の講演もある。同展は八月二十七日まで。大人千二百円、高校・大学生九百円、小中学生六百円、未就学児無料。 (押川恵理子)