長浜市富田町に伝わる人形浄瑠璃「冨田(とんだ)人形」の夏の定期公演(中日新聞社後援)が三十日、市内のびわ文化学習センターであった。六月から稽古を続けてきた米国とロシアの留学生四人も出演し、集大成となる演技を披露した。
 四人は公演の幕開けに登場し、天下太平を祝う「式三番叟(さんばそう)」を演じた。三味線の音色に合わせて懸命に二体を操り、時に激しく、時にゆったりとした動きを表現した。二百人が集まった会場から喝采を受けた。
 ロシアのビクトリヤ・リトビネンコさん(26)は「心配していたけど、拍手の音が大きくて、やったーと思った。とても面白かった」と興奮気味に話した。
 留学生による演目は、地元の継承グループ「冨田人形共遊団」が、海外から若者を招く「サマープログラム」の一環。ホームステイしながら一日八時間の練習を重ねてきた。
 指導した共遊団団長の阿部秀彦さん(76)は「感情が入っていて、稽古の九割くらいの出来。日本文化を少しは分かってもらえたんじゃないかな」と目を細めた。
 プログラムは八月四日までで、留学生たちは順次帰国する。公演で共遊団は、親子の再会と別れを描いた「傾城阿波(けいせいあわ)の鳴門(なると)」など三演目を披露した。

 (渡辺大地)