第二次世界大戦中に外交官の杉原千畝がユダヤ人に発給し、約六千人をナチス・ドイツの迫害から救った「命のビザ」の原本が三十日、八百津町八百津の杉原千畝記念館で公開された。八月六日まで展示される。
 このビザは、実際に少女時代に命を救われたシルビア・スモーラーさん(85)=米ニューヨーク在住=が一九九三年に町に寄贈した。シルビアさんと両親用のパスポートに「査証」「敦賀上陸」「昭和十五年七月三十一日」「在カウナス領事代理 杉原千畝」などと手書きされている。
 町が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界の記憶」登録を申請している千畝の関連資料「杉原リスト」の一つ。町は劣化を防ぐため、普段はきり箱に入れて町役場の金庫で保管し、レプリカを同館で展示している。
 登録に向けた機運を高めようと今回、千畝の功績をたたえる「杉原ウイーク」に合わせて十八年ぶりに一般公開した。米シカゴのスパンゲン・ファミリー財団が所蔵する、命のビザが記載されたリトアニア政府発行の安導券(安全通行証)の原本も特別展示され、来場者が興味深そうに見入っていた。
 八月四日午後六時半から町ファミリーセンターで、シルビアさんらの講演会や映画上映会も開かれる。

 (平井一敏)