国土交通省は三十一日、中山間地での移動手段として期待されている自動運転車の実証実験拠点として、富山県南砺市の道の駅「たいら」など全国八カ所を選んだと発表した。北陸三県では同市が唯一の選定。今後は実験に向けて地域ごとに協議会を立ち上げ、具体的な実施時期やルートなどを検討する。
 同省は四月に、実験を行う道の駅として秋田県など五カ所を選定。今回は追加選定で、同省の公募に応じた全国二十六地域の中から選んだ。
 南砺市は、観光周遊ルートや農産物の販路拡大など具体的なビジネスモデルを提案、実現性が高いことが評価された。
 実験では、有人の自動運転車を使い、場合によっては路面に道路からの逸脱を防ぐシステムを導入することなども想定している。
 同省は二〇二〇年までに高齢化が進む中山間地域で、人や物の流れを確保するために、道の駅などを拠点とした自動運転サービスの実用化を目指している。 (山中正義)
新たな観光ルート期待
南砺市 バス型車両検討へ
 自動運転の実証実験拠点に選ばれた南砺市東中江にある道の駅「たいら」は、和紙すきが体験できる「五箇山和紙の里」も併設する観光施設。しかし、同施設にアクセスする公共交通機関は同市平地域を巡回する市営バスのみで、観光客にとって利便性は低く集客の課題となっていた。
 市内には、合掌造り集落で知られる五箇山地域があり、北陸新幹線新高岡駅から五箇山・白川郷を巡る「世界遺産バス」が開通した効果で、五箇山の相倉集落や菅沼集落への来訪者が増加している。その一方で、観光客の多い土日に市営バスが運休していることや、両バスの運行時間にずれがあることから、道の駅たいらまで訪れる観光客は限定的だった。
 自動運転車に期待されるのは、新たな観光周遊ルートの確保や、五箇山和紙をはじめとする伝統工芸品や農作物の集荷など。実験車両は四人乗りの乗用車から二十人乗りのバスなど四種類があり、地域ごとの事業内容に沿って配備される。同市はバス型車両の導入を検討したい考え。
 平地域は少子高齢化も顕著となっており、同市地方創生推進課の柴雅人課長は「バスの運転手などの人手不足解消にもつながり、高齢者らの交通手段が確保できるようにもなれば」と話している。 (渡辺健太)