大村秀章知事は三十一日の定例会見で、県内全域の小中学生家庭を対象に昨年末に実施した「子どもの貧困調査」の圏域別貧困率を発表した。最も貧困率が高い東三河南部(7・5%)でも、全国平均(13・9%、二〇一五年調査)と大きな差があり、知事は、圏域別の貧困対策は「検討の必要はない」とした。
 貧困率は、標準世帯の年間可処分所得の半分(百二十二万円)未満で暮らす子どもの割合。厚生労働省の抽出調査では全国平均は二〇一二年が16・3%、一五年が13・9%。
 地域別の厚労省データはなく、県が昨年十二月に初めて実施した調査によると、県内平均は5・9%だった。
 調査結果を分析した結果、県内の十二福祉圏域別で貧困率が高いのは東三河南部(7・5%)、名古屋、尾張北部、西三河南部東(いずれも6・2%)。低いのは、尾張東部(4・1%)、尾張西部、西三河南部西(5・2%)、海部(5・3%)だった。
 貧困世帯で暮らす子どものサンプル数は計七百十五人。東三河北部圏域はサンプル数が少ないとして、県は、分析の対象外とした。
 貧困率の基データになっている子ども一人あたりの所得は、世帯の所得を世帯人数で割っている。東三河南部など貧困率が高い圏域は「大家族が多い」(知事)傾向があるとして、県は、専門家の意見も踏まえ「圏域別の貧困率に顕著な違いはない」と結論づけた。
 全国平均と比べ、各圏域とも総じて貧困率は低く、知事は「特定の圏域にフォーカスする必要はないのではないか。県全体を対象に対策を検討したい」と述べた。
 ほかの分析では、学習の習熟度や意欲、大学などへの進学希望はいずれも保護者の所得が高いほど、多い傾向にあった。「一人で昼ご飯を食べる」「地域活動に参加していない」子どもは、保護者の所得が低いほど、多い傾向にあった。
 県は三日午後、第七回子どもの貧困対策検討会議(座長・後藤澄江日本福祉大教授)を開く。今回の分析結果などをもとに、今後の施策を検討する。

 (豊田雄二郎)