心の悩みを抱える人々の相談に匿名で応じるボランティア活動をしている社会福祉法人「静岡いのちの電話」(静岡市)が一日、三島市内に三島分室を開局した。県東部で初めての「いのちの電話」の拠点。相談員の負担軽減と人材確保を図るのが狙いで、増加している相談への対応力強化につなげる。
 「静岡いのちの電話」は一九九九年に静岡市の事務所で開局。研修を受けた相談員が心の悩みに苦しむ人々に寄り添ってきた。年間相談件数は増加傾向が続いており、二〇一六年は前年比三百五十二件増の一万二千九百十一件。三百六十五日受信を始めた〇七年の一・八倍に上る。
 相談内容では、「精神」(精神疾患や心の不健康な状態)が最多の22%、「人生」(生きるのがつらい、孤独などの訴え)が14%、「家族」が13%、「対人」が12%で続く。年齢別では四十代が26%、五十代が24%、三十代が17%となっている。
 昨年の相談全体のうち、8%は自殺の傾向がうかがえるものだった。一五年の県内の自殺者数は前年比八人増の六百八十二人。七百人を超えていた一九九八〜二〇一三年と比べると減少傾向にあるが、いまだに高い水準にある。
 相談員は現在八十四人いるが、活動は無償で交通費も自己負担だ。特に県東部に住む人にとって静岡市内の事務所に通って活動することは大きな負担になっており、分室設置は念願だった。三島分室の開局は、協力者が部屋を提供してくれたことで実現した。
 三島分室で活動する相談員は十人余りで、電話二台を備えている。分室開局により、なり手不足が深刻な相談員の確保にも期待がかかる。「静岡いのちの電話」は七月三十日に分室開局を記念した講演会を三島市内で開き、百四十人に活動をアピールした。今後も講演会や広報紙での啓発に取り組む方針だ。
 「静岡いのちの電話」の大戸宏文事務局長は「新たな拠点ができ、相談員の負担が減らせる。一方で、新たな相談員を増やし、業務の充実につなげたい」と話している。
 相談は無料。電話の受付時間は、正午〜午後九時。問い合わせは、静岡いのちの電話三島分室=電054(272)4343=へ。
(佐久間博康)
 <いのちの電話> 1953(昭和28)年に英国・ロンドンで自殺予防のために始まった。日本では71年に東京で始まり、現在約60カ所で6500人が活動している。昨年は計68万3793件の相談を受けた。県内では静岡、浜松、三島の3市に拠点がある。