蛇口をひねれば無事が分かる−。県企業局と坂城町は9月、利用状況をリアルタイムで把握できる水道メーターを一人暮らしのお年寄り宅に設置し、家族が安否確認する試みを始める。水道メーターを使って高齢者の見守りを行政が主導するのは全国初という。1年半の実験を経て、坂城町をモデルに他の市町村に広げる狙い。
 この試みでは、松本市の東洋計器が開発したメーターを活用する。毎日、水道を使い始めると電子式メーターが感知し、メールを家族に送信する仕組み。一定時間出しっ放しだったり、使用がなかったりすると、緊急メールを送る。
 県企業局が、水道水を供給する坂城町に協力を打診した。町が六十五歳以上のお年寄りや家族の希望を聞いて対象の百世帯を選ぶ。
 家族だけでなく、民生委員や自治会長らがメールを受け取るようにすることも検討している。お年寄りを見守る地域のネットワークを整え、孤立死や病気の発覚の遅れを防ぐ狙いだ。
 県内の六十五歳以上の一人暮らし世帯数は、二〇一〇年に約六万八千世帯から一五年には約八万四千世帯に増加。五年間で二割以上増え、全世帯数の一割を超えた。
 孤立死する恐れのある一人暮らしのお年寄りが増える中、県企業局の担当者は「冷蔵庫など常に使用がある電気と比べ、水道は異常に気付きやすい。試みがうまくいけば、他の地域にも広めていきたい」と話している。
 (竹田弘毅)