県内専門校など定員の半数未満
重労働イメージ 払拭急務
 介護現場のリーダーとなる介護福祉士の養成校の入学者数が石川県内で減っている。二〇一七年度の総数は定員二百六十五人の半数未満の百十四人。特に高卒で入る学生の減少が目立つ。介護福祉士の国家資格取得の仕組みが変わりつつある影響もあり、養成の在り方は岐路に立っている。(福岡範行)
 四月中旬、金沢市円光寺本町の専門学校アリス学園介護福祉学科の入学式にスーツ姿の新入生十九人が並んだ。九人は留学生だ。日本の介護施設でアルバイトした学生もいる。インドネシア出身の新入生ニ・ル・ニョマン・サリ・ウィディアニさん(22)は「利用者は家族。優しい介護をしたい」と意欲を燃やしていた。
 一方、日本人は求職中に職業訓練生として入学する人が多く、高卒の入学者は一人だけ。一三年度の高卒十八人から激減した。
 高卒減少は県内に五校ある介護福祉士養成の専門学校や大学の多くに共通する。介護職は待遇が悪く、重労働というイメージが高校生や保護者、教師に根強いのが要因だ。
 養成校は卒業で介護福祉士の資格が取得できるが、一七年度からは卒業後、資格の継続のために国家試験合格が必要な場合があり、二二年度からは合格が必須になる。現場で実務経験を積んだ後、四百五十時間の研修を受けて試験に臨むケースとの差が減り、養成校入学者がさらに減る恐れもある。
 養成校の関係者は、介護の知識や技術を事前に学ぶことが、介護の質の向上や職場定着につながると指摘する。日本介護福祉士養成施設協会(東京都)の一四年度の調査では、養成校の卒業生はそれ以外の介護職より早期離職率が低かった。介護職を肉体労働よりも高齢者一人一人に合った支援を考える職業ととらえる関係者も多く、アリス学園の竹沢敦子理事長(58)は「人生の最終盤とどう向き合うか考える感慨深い職業だ」と強調した。
 待遇面は施設ごとに差はあるが、県介護福祉士会の端久美会長(55)は、介護報酬から給与が支払われ、景気に左右されないなどの特長を指摘。悪いイメージの払拭(ふっしょく)を訴える。介護福祉士の資格取得が厳格になるのも「質が担保され、悪いことではない」と語り、専門職として前向きにとらえる人の広がりを期待した。
富山と福井も減
 介護福祉士養成校の入学者は全国的に減っている。日本介護福祉士養成施設協会のまとめでは、二〇一二年度に一万二千七百三十人いた入学者は一六年度に七千七百五十二人に減った。一七年度は集計中だ。
 北陸三県の一七年度の入学者は石川が百十四人で四年前の二百十二人からほぼ半減し、富山は八十九人で四年前より七十人少ない。福井は五十九人で四年前の九十六人の六割になった。