熊野市大泊町の大泊海岸で三日、今季初めてアカウミガメの産卵が確認された。海岸近くに住み、ウミガメ保護のために毎日巡回している若山澄夫さん(74)が午前八時ごろに見つけた。五十〜六十日後にふ化し、海に帰るという。
 毎年産卵期となる六、七月を中心に海岸の見回りをしているという若山さん。「例年七月中には見られるのに、今年は駄目かと思っていた」とあきらめかけていたところにカメの足跡を確認した。早速、大泊区長の向井弘晏さん(75)に連絡し、産み落としたピンポン球大の卵を二人で数えた結果、八十五個が見つかった。
 ただ、産卵場所が潮の満ちたときの海岸線に近く、海水に浸る可能性があったため、安全な所に移動させた方が良いと判断。陸側に二十メートルほどの砂浜に五十〜六十センチの深さの穴を掘り、ウミガメが産んだときと同じ向き、角度を再現するよう、一つずつ慎重に移して埋め戻した。
 若山さんは「毎年ウミガメが来るのが楽しみ。これからもきれいな海を維持しなければ」とにっこり。向井さんは「しっかりと卵がかえって、海に戻ってほしい」と期待を寄せた。
 同海岸ではアカウミガメの産卵が毎年のように確認されており、昨年は二回見られたという。

 (神谷浩一郎)