甲良町が七年前、町民から徴収した固定資産税滞納の延滞金の一部を返還した問題で、北川豊昭町長が、返還に至るまでの交渉記録の一部を削除するよう職員に指示していたことが分かった。四日にあった町議会総務民生委員会で、北川町長が明らかにした。
 北川町長が削除を指示したのは、返還理由を「当時の税務課長と町長の政治判断」とした文言。その理由として「当時の担当者が勝手に書いた。私の思いと違うので消してくれと指示した」と述べ、「(交渉記録を)公文書として残すなら、起案して私のところに回ってくる。そうではなく、担当職員のメモ書き」と話した。
 交渉記録の電子データの一部が削除された問題では、税務課職員が端末にアクセスして削除した可能性があることも判明。委員長ら二人が、七月十四日の委員会で確認した。
 この日は北川町長が八月一日付で、前回の委員会でデータ削除を証言した税務課長を、長寺地域総合センターへ異動させたことも明らかになった。前課長は、延滞金の返還問題や元職員(30)による税金着服事件の被害総額を調べる責任者だった。後任は町教育次長が兼務する。
 異動の理由について北川町長は、前回の委員会でデータ削除の原因究明を求める委員長らに応じて端末を開示したことを問題視し、「第三者に自分(税務課長)の判断で情報流出してもらったら困る」と発言した。委員からは、この日の委員会前に当時の経緯を知る税務課長を異動させたことに「真相隠しと指摘されても仕方がない。町長の横暴だ」などと批判の声が上がった。
 延滞金の返還問題を巡っては、北川町長が前回の委員会後、報道関係者に「交渉記録があることは春先に知った。内部協議の文言を見ただけだ。記録は消されていると思っていない」と発言、本紙が報じた交渉記録について「ねつ造だと職員が言っている」と述べていた。