◆9年ぶり 生産減で需給均衡
 二〇一七年産の県内二番茶の取引が終わった。茶業関係者によると、一キロ当たり平均単価は前年比二割高と九年ぶりに八百円台を回復しそう。生産量は過去最低だった前年並みか、やや多い程度にとどまりそう。今季は一番茶の単価も前年より15%ほど高くなる見込みで、茶価上昇への転換期とみられている。生産量が減り、需給バランスが取れてきたためだ。
 静岡市葵区の茶問屋街での二番茶取引は例年より約一週間遅い六月中旬に本格化し、七月中旬まで続いた。五月の少雨と六月の空梅雨が響いて、芽伸びが鈍くなり、農家は「芽伸びを待つために晴れても摘み取りを休んだ。摘むことができる状態になったら雨にじゃまされ、生産期が長かった」と振り返った。
 取引単価は、ほぼ横ばいや小幅な値下げが続いて堅調だった。JA職員は「高く買うから売ってほしいと新規客から頼まれた。久々の売り手市場だった」と話した。
 日々、品定めをして価格交渉する大手茶商は「数量を確保するため、事前に価格を決めて茶工場と購入契約した」と異例の措置を取った。平均単価は昨年の七百十六円から上がり、〇八年の八百九十円以来の八百円台になりそう。
 二番茶の価格は一番茶より安く、売れ筋の茶葉商品や緑茶飲料原料など使い道が広い。だが、生産量は一六年に七千七百四十トンに減り、農林水産省が茶期別データを公表する一九五三年以降で、過去最低を二年連続で更新するなど、この十年で四割減った。茶価低下と農家の高齢化が要因で、茶業関係者は「(二番茶の価格帯の)千円以下の在庫が昨年から薄かった」と話す。
 取引単価が七百、八百円台で推移する中、茶園を一時的に覆って色を良くする被覆茶や、国産紅茶を増やす産地も目立った。国産紅茶に五年取り組み、増産したJAしみずの担当者は「紅茶を千円台半ばから前半で販売した。数量が増え、平均単価を5%くらい押し上げた」と振り返った。 
(松本利幸)