津田学園(桑名市)の練習グラウンドの得点板にスコアが残る。
 3−4
 今春の東海大会県予選決勝の対近大高専戦。2点リードで迎えた九回、マウンドには水谷翼主将(三年)の姿があった。1点差に迫られた後、無死三塁からの代打への三球目。内角の直球を右翼席へ運ばれ、サヨナラ負けを喫した。
 「しばらく立ち直れなかった」。やがて「負ければ負けるだけ得るものがある。最後には勝ってやる」と思い直した。
 夏の大会に向け、選手たちは一回の練習で千回の素振りやティーバッティングを繰り返し、個人技を高めた。自身は投球フォームを見直し、ストレートの伸びやカーブやフォークの切れを意識した。「近大高専との接戦を落としたのは、気持ちの弱さもあった」
 七月十四日に開幕した三重大会。チーム打率は大会前の3割2分から4割2分に上がった。佐川竜朗監督(39)は感じていた。
 「試合ごとにプレーの精度が上がっている。大会を通じ成長している。こんなことは今までなかった」
 二十三日、四日市南との準々決勝。一、二回に三塁まで走者を進めたが、走塁ミスや凡打で好機をつぶした。が「ミスをしても流れを渡さなかった。以前にはなかった粘りが出た」。チームは三回に5点を挙げ、試合の主導権を握った。
 二十六日の三重との決勝。一回に1点を先制し、三、九回に追加点を挙げた。2点リードの九回、2死から外野手の捕球ミスで1点差に迫られた。
 選手たちがマウンドに集まった。円陣の中心には水谷主将。「春の悔しさは繰り返さない。最後には勝つんだ」。続く打者を最速の140キロで見逃し三振に仕留めた。
 スコアは4−3。
 チームの成長を象徴していた。

 (芝野享平)