◆2組合で融通 近く要望書
 静岡県内の養鰻(ようまん)業者でつくる二つの組合、「静岡うなぎ漁業協同組合」(吉田町)と「浜名湖養魚漁業協同組合」(浜松市)は、これまで組合員のみ利用できた県内の絶滅危惧種ニホンウナギの稚魚(シラスウナギ)を双方で融通し合うとともに、組合に入っていない県内の養鰻業者にも稚魚を卸す方針を固めた。
 正規外のルートに流れる稚魚の存在が問題視される中、県内の流通ルートを透明化し、資源管理につなげる。流通の枠組みを整えるため、両組合や組合員外の養鰻業者が入る県養鰻管理協議会が近く県に要望書を提出する。
 稚魚は県から許可を受けた採捕者が浜名湖や天竜川などで採捕し、地元の組合に出荷。各組合は組合員の養鰻業者に配分する。県の運用ルールでは、組合間での取引を禁じており、これまで一方の組合で養鰻池に入れる稚魚が満杯になり余っても、もう一方の組合に分けられなかった。
 組合員外の養鰻業者は県内で採捕された稚魚を買い取れず、県外や国外から購入している。さまざまなルートで問屋に集められた稚魚の中には、不当な取引で得た稚魚も交じっている恐れも指摘されている。
 複数の関係者によると、こうした状況を踏まえ、一方の組合内の養鰻業者の池が充足した場合、もう一方の組合に稚魚を融通。それでも稚魚が余った場合、県内の組合員外の養鰻業者に組合員価格より高めで卸すのを認めるようにする。
 養鰻池に入れられる稚魚の量は、国が養鰻業者の数に応じて定めている。同協議会は、採捕者が組合員外の養鰻業者の分の稚魚も捕れるよう、運用ルールの変更を求める。採捕者はこれまでよりも稚魚を捕ることができる一方、組合側にとっても、不当な流通を阻止し、稚魚を守る利点がある。
(飯田樹与)