台風5号は七日、四国の太平洋岸を進み、午後三時半ごろ、和歌山県北部に上陸した。近畿から北東に進み、九日にかけて東日本を縦断し日本海に抜ける見通し。西日本から東日本まで広い範囲で断続的に非常に激しい雨が降った。東北の南部でも大雨による河川の増水や土砂災害などに警戒が必要だ。
 静岡地方気象台によると、静岡県内には八日未明から明け方にかけて最も近づく。台風を取り巻くように雨雲が発達しており、山沿いの斜面を中心に、明け方まで局地的に猛烈な雨が降る可能性がある。
 県内の降り始めから七日午後九時までの雨量は、静岡市井川で二二八・五ミリ、川根本町で一九五・五ミリを記録した。八日午後六時までに二十四時間の雨量は、多いところで三五〇ミリと予想している。
 同気象台は七日午後九時現在、県内全域に大雨警報を発表しており、土砂災害や河川の増水などに警戒を呼びかけている。
 静岡市は七日午後三時半、葵区井川地区の五十六世帯九十三人に避難勧告を出した。県危機管理部によると、同日午後六時時点で、静岡市北部・南部と磐田市全域、小山町須走下本町の計二十四万人余を対象に、土砂災害や浸水に備えて高齢者や障害者などに早期の避難行動を促す「避難準備・高齢者等避難開始」の情報が出された。
 中部電力静岡支店によると、静岡市葵区や掛川市、川根本町の一部などの計百九十世帯で停電した。
 愛知県豊橋市では突風が発生し、六歳の男児ら三人が軽傷を負ったほか、家屋の屋根瓦が飛ばされたり、車が横転したりした。鉄道や航空便も乱れた。
 気象庁によると、台風5号は上陸後も速度が遅いまま本州を北東に進むとみられ、各地で影響が長く続きそうだ。台風の周囲を回るように南東から湿った空気が流れ込むため、中心から離れた地域でも局地的な大雨になることがある。
 徐々に勢力を弱めながら北陸や東北沖の日本海に抜け、九日午後までに温帯低気圧に変わる可能性が高いが、長野県などの山地で進路を南寄りに変える恐れもある。