台風5号による大雨で、敦賀市内を流れる笙(しょう)の川が八日未明、氾濫する恐れがある水位となり、市災害対策本部は近隣十三地区の約三千世帯、七千二十四人に同市では初めての避難指示を出した。市内は一時緊張感に包まれたが、しばらくして水位が下がり、避難指示は解除。避難所に集まった市民はほっとした表情で家路についた。小浜市では川の増水で水田が冠水する被害があった。
◆笙の川が氾濫危険水位超え
 笙の川の水位は七日夜から八日未明にかけて急上昇。深夜に氾濫危険水位の二・五メートルを超え、八日午前四時四十分に避難指示が出た。
 同六時半には水位が三・六九メートルになり、三島橋や来迎寺橋では橋桁のすぐ下にまで茶色い濁流が迫ったが、その後水位は低下。同八時十分に避難指示が解除された。川にかかる五つの橋の両端では、横なぐりの雨の中、敦賀署員が交通規制に立ち、一時通行止めになる道路も。水位を不安そうに確認する住民もいた。
◆災害対策本部を設置
 敦賀市は七日午後六時、市防災センター内に渕上隆信市長をトップとする災害対策本部を設置。張り詰めた空気の中、夜を徹して近隣道路の交通状況や避難所に集まった避難者数の確認、被害情報の収集などにあたった。渕上市長は「後始末もある。気を引き締めてやってほしい」と職員を激励。業務は八日正午すぎまで続き、避難勧告の解除、避難所の閉鎖を終えて解散した。
◆慌ただしく物資を運ぶ
 敦賀市内では、要支援者向けと合わせて避難所計十カ所が開設され、ピーク時には七百三十七人が身を寄せた。避難所の一つとなった東洋町のプラザ萬象では八日早朝、市職員が支援物資を運び込んだり、食料を配ったりと慌ただしい雰囲気。避難者はソファや床に敷かれたブルーシートに座り、天候が回復するのを待った。笙の川流域の結城町に住む磯見文子さん(78)は「川と海の近くに家があるので、台風が来る度に心配」と疲れた表情で話した。
◆アンダーパス、水がたまり不通に
 大雨の影響で、敦賀市布田町のJR北陸線をくぐる市道のアンダーパスは約二メートルほど水がたまり、通れなくなった。同市刀根の市道沿いを流れる刀根川では、五メートル以上にわたって護岸と道路が崩れた。気比の松原海水浴場に浮かんでいた敦賀観光協会の海上遊具は浜辺に打ち付けられて大破した。
 (米田怜央、大串真理、池上浩幸、山谷柾裕)