台風5号が北陸地方を通過した影響で、七日から八日にかけて県内各地で大雨が降った。県によると、けが人はいなかったが、福井地方気象台などは引き続き、土砂災害への注意を呼び掛けている。
 同気象台によると、七日午前六時の降り始めから八日午後五時までの総雨量は、大野市九頭竜で二一一ミリ、敦賀で二〇五・五ミリ、福井市美山で一八五・五ミリ。同日夕までの二十四時間の最大雨量は、敦賀で二〇三ミリ、九頭竜で二〇三・五ミリ、美山で一八五・五ミリを観測し、いずれも八月の観測史上で最多となった。最大瞬間風速は敦賀で二八メートル、小浜で二六・一メートル、坂井市三国で二二・八メートル。
 県のまとめでは、敦賀市の一部地域を対象に避難指示が出たほか、同市の全域と若狭町、小浜市、福井市の一部地域にも避難勧告が出て、順次解除された。
 敦賀市付近の国道8号、同161号、北陸自動車道、舞鶴若狭自動車道の一部区間では、雨量が規制値に達し、一時通行止めになった。福井市薬師町の国道158号や同市吉山町の県道では道路に土砂があふれたため、一時通行不能となった。北陸電力福井支店によると、福井市、あわら市、越前町の一部地域で四百八十戸が停電したが、全て復旧した。
◆浜茶屋の屋根飛ぶ 三国
 坂井市三国町の三国サンセットビーチでは、浜茶屋の屋根が強風ではがれ飛んだ。少なくとも三軒に被害が出ており、十一日の三国花火大会に向けて修理を急ぐ。
 経営者の男性(43)は「書き入れ時に困った。柱も傾き、もう一度埋め直さないと」とため息をついていた。
◆ナシ落果相次ぐ 坂井北部丘陵地
 坂井、あわら両市にまたがる坂井北部丘陵地では、収穫を目前に控えたナシが強風で落果する被害が相次いだ。県生産振興課やJA花咲ふくいによると、市内では生産量の5%相当が落果。七万〜八万個と推定される。
 特に被害が大きかったあわら市波松地区では、今年から栽培に取り組む男性(56)が「もうすぐ収穫なのに、廃棄するしかない」と肩を落とし、散らばるナシを拾い集めていた。
 坂井市三国町池上の農園でも、経営する男性(66)から「棚に実が擦れ、どれだけ傷んだか心配。そこから腐ってしまう」と不安の声が漏れた。揺れを防ぐため棚に重りを付けたが、完全には防げなかった。

 (北原愛)