◆津田学園7−6藤枝明誠
 八日に開幕した第九十九回全国高校野球選手権大会の第三試合で、延長十一回の激戦をサヨナラで制した津田学園。打線は二本の長打で3打点を挙げた菊地翔矢選手をはじめ、2イニング連続の三連打を放った藤井久大、久保田拓真、水谷翼の各選手を中心に13安打を集め、追いすがる藤枝明誠を振り切った。投げてはエース水谷投手と若林潤投手が懸命のリレー。救援の若林投手は6回4死球と制球に苦しみながらも2失点に抑えた。「まずは一勝」の目標を果たし、ナインは笑顔で校歌を聖地に響かせた。
◆最高の贈り物かみしめ 7日誕生日の佐川監督
 「選手が思いを持って、頑張ってくれた結果。最高のプレゼントです」。七日に誕生日を迎えたばかりの佐川竜朗監督(39)は、充実した表情で夏の甲子園初勝利をかみしめた。
 三重大会決勝で敗れた昨夏、誕生日に部員からメッセージボードを受け取った。「僕たちは監督を甲子園に連れていきます」。約束はかなえられた。
 PL学園(大阪府)出身の監督。厳しい指導やハードな練習で野球を嫌いになりかけた経験を踏まえて、二〇〇八年の就任後、選手にはのびのび練習させた。各自の課題に向き合わせ、自らは「サポーター」に徹する指導方針を採用。水谷翼主将(三年)は「厳しいことばかり言わず、笑顔でプレーさせてくれる」と話す。
 組み合わせ抽選で初戦が七日に決まり「縁を感じた」と監督。台風接近により、誕生日当日の試合とはならなかったが、「選手たちが変に力むのではと心配していた。むしろ気が楽になったのでは」と受け止める。
 延長十一回2死一、二塁、中越えのサヨナラ二塁打を放った宮木選手は、佐川監督を「顔は怖いけれど、普段は優しくて面白くて、活発に指導してくれる」と語る。劇的な幕切れの立役者は「みんなで勝ち取った一勝」と振り返った。
 十四日の二回戦では済美(愛媛)とぶつかる。チームの歴史に新たな一ページを書き加えた指揮官は、「気持ちを切り替えて明日から再スタートを切りたい」と次への意気込みを語った。

 (芝野享平)