大村秀章知事は八日、都内の全日空本社で平子裕志社長と会談し、中部国際空港(常滑市)とインドネシア・ジャカルタを結ぶ直行便の就航を要請した。ジャカルタ便は、ガルーダ・インドネシア航空が中部政財界の要望に応える形でいったんは就航を決めたが、その後に凍結され、実現に至っていない。知事にとっても思い入れの強い路線だ。
 会談は非公開で、中部経済連合会の豊田鐵郎会長、中部国際空港会社の友添雅直社長も同席した。会談後、取材に応じた大村知事は「ビジネスを中心に将来有望な路線であることを強調できた」と手応えを語った。平子社長は「地域や経済界の熱い思いをしっかりと受け止めて検討する」と述べたという。
 県によると、インドネシアには、トヨタ自動車グループなど県内企業百七十八社が進出。リゾート地のバリ島をはじめ観光地としても人気が高い。
 インドネシアからの訪日観光客は増加傾向にあり、県内には全国最多の五千人超のインドネシア人が暮らす。ビジネスと観光の両面で路線の需要は高いとみられる。
 中部国際空港からは二〇〇五年の開港以降、ガルーダ・インドネシア航空がバリ便や、バリ経由のジャカルタ便を運航した時期があったが、一二年以降はいずれも休止している。
 大村知事らは一四年九月に渡航し、就航を要請。これに応える形で、ガルーダは一五年三月からのジャカルタ直行便の就航を決めたが、業績の悪化に伴う経営トップの交代により、就航は「延期」となったままだ。一五年十月にも渡航し、就航を働き掛けた大村知事は近く、三たび渡航し、トップセールスを予定する。全日空との共同運航便の就航をガルーダに強く求める方針だ。
 中部国際空港からは現在、海外の三十九都市に週三百五十五便が運航。利用者は一五年度、七年ぶりに一千万人台を回復した。中部空港会社は「一九年度に千五百万人」を目標に掲げる。
 大村知事は「中部国際空港からの国際便の増加は、国が掲げる観光立国計画の実現にとっても不可欠だ」と強調する。インドネシアからの観光客を呼び込むため、県は今冬、岐阜県とともに、現地の観光業者やマスコミを招くことも計画している。
 (谷悠己)