第九十九回全国高校野球選手権大会の一回戦で劇的な勝利を収めた彦根東ナインは十日、大阪府東大阪市の花園セントラルスタジアムで練習を再開した。次は、十四日第三試合の青森山田(青森)戦。休養日を挟んで、二回戦突破という新たな目標へ、赤い闘志の炎にスイッチが入った。
 「勝ってそれだけでいいのか」。村中隆之監督は、選手を集めたミーティングで、げきを飛ばした。忘れ物やあいさつといった野球以外の部分で、チームの気の緩みが見て取れたからだ。
 一回戦は、九回に逆転サヨナラ打で試合を決める劇的な展開。翌日の九日は休養に当て、甲子園球場で試合を観戦した後、宿舎で疲れを癒やした。サヨナラのホームを踏む好走塁を見せた原晟也選手(三年)は「地元の友人からの祝福もあり、勝ちに浮かれていた」と反省を口にした。
 「もう一度基本に立ち返る」と村中監督が選んだのは、内野ノックや投内連携など、チームの基礎ともいえる守備練習だった。約二時間の半分をつぎ込み、選手は一つ一つの動きを確認しながら、汗を流した。
 松井拓真主将(同)は「勝ったところで気が緩んでいたと思う。気持ちを次に切り替えるきっかけになった」と充実した表情。二つ目の勝利に照準を据えたナインが、聖地に赤鬼旋風を巻き起こすべく、再始動した日になった。

 (大橋貴史)