全国高校野球選手権大会に出場している富山県代表の高岡商、吉本樹(いつき)選手(三年)は登録選手の中で唯一の県外出身。身長一五七センチは全チームの選手の中で最小だが、闘志あふれるプレーで二塁のレギュラーとして活躍する。甲子園で、幼なじみで春の選抜大会を制した大阪府代表の大阪桐蔭、根尾昂(あきら)投手(二年)と再会。同郷からの応援も受けながら夢の舞台で躍動する。(向川原悠吾)
 二人は岐阜県飛騨市出身。自宅が近く、保育園から中学校まで同じ。吉本選手は小学三年、根尾選手は小学二年とほぼ同時期に野球を始め、小学生からバッテリーを組んだ。共に中学では硬式野球チーム・飛騨高山ボーイズに入団。二人をよく知るチームの井上太代表は「二人とも入団した時から甲子園を目指していた。よく出てくれた」と目を細める。
 吉本選手は卒業後、母・知子さんの母校だった高岡商へ。幼いころから高岡商の試合を見て、憧れた。根尾選手は中学生ながら最速146キロの速球が話題を集め、日本代表にも選ばれた。全国の強豪から誘いを受け、大阪桐蔭へ。
 同校野球部は携帯電話が禁止されているため、二人は連絡を取らなくなった。近況は仲の良い親同士の会話を通して知っていたが、甲子園の開会式のリハーサル後、顔を合わせた。
 飛騨高山ボーイズからはもう一人、吉本選手とバッテリーを組み、根尾選手との二本柱で活躍した山梨学院(山梨県代表)の垣越建伸選手(二年)=岐阜県高山市出身=も今大会に出場。久々に再会した三人は故郷の話に花を咲かせた。
 「正月は帰ってボーイズの練習に出ような」。二人に声を掛け、チームに合流した吉本選手。根尾選手を「友達みたいな存在」と話しつつ、「本番ではチームのプレーに徹底したい。地方大会では『昂がんばれ』と思っていたけど、これからは意識せずに戦いたい」と集中。「僕はこのチームがすごく好き。どこと当たっても勝ちたい」と意気込む。