◆遭難時の救助に一役
 昨年からの祝日、八月十一日の「山の日」の周知活動をしている「全国山の日協議会」は、登山届を提出できるスマートフォンのアプリ「コンパス」を使って登山者が実際に通ったルートを把握し、遭難した場合の早期発見につなげるシステムを開発、富士山などで実証実験を始めた。
 登山道の携帯電話がつながりにくい場所に置かれた道しるべに、近距離無線通信「ブルートゥース」で交信する機器を設置。「コンパス」で登山届を出した登山者が、ブルートゥースとアプリを起動した状態で通ると通過記録が残り、先に通った人の記録を受け取る。
 携帯の圏内に入れば、協議会のサーバーに情報を送信。遭難した場所が圏外でも、登山者がいつどこにいたかを、予定のルートしか分からない登山届よりも、詳しく把握できるとしている。
 警察庁のまとめでは、昨年の山岳遭難者は約二千九百人で、十年前の約一・六倍に増えた。多くの山岳救助を手掛ける長野県警山岳安全対策課の担当者は「行方不明の通報があっても、本人がどこにいるか分からないことも多い。居場所を絞り込むことは重要だ」と期待する。
 那須岳、浅間山でも実証実験を始めており、丹沢山地でも近く実施。四年後の実用化を目指す。協議会は「いずれ全国の山にシステムを広げ、遭難者をより迅速に救助できるようにしたい」としている。