鉄砲のまちとして栄えた長浜市国友町の歴史と文化を紹介する展示会を、住民たちが十四、十五の両日、同町会館で開く。鉄砲鍛冶(かじ)を営んだ家系の子孫による彫刻や広告デザイン、地域の蔵から見つかった収蔵品など、幅広く飾る。
 故国友栄太郎さんは鉄砲鍛冶師の血筋に生まれ、祖父は彫刻師だった。自身は旧国鉄に勤める傍ら「翠谷(すいこく)」と名乗って彫刻にいそしみ、コイやイノシシなどの動物、果物など精緻な木彫りを残した。一九五〇(昭和二十五)年に五十九歳で亡くなった。
 その孫の宏純さん(62)は現在、東京・赤坂の広告制作会社に勤め、大手企業の広告や商品の包装デザインなど数多く手掛けてきた。
 展示会は「翠谷と宏純のアート展」と題し、栄太郎さんの木彫二十点、宏純さんのポスターなど百点が並ぶ。娘のゆかりさん(24)も広告出版業界で働き始めたばかりで、力士をあしらった作品などを出品する。
 併催の「惣蔵(そうぐら)収蔵品展」は、江戸時代中期に地区で出されたキリシタンを弾圧する「禁制札」や、彫金師の藍水堂一徳の手による江戸後期の絵馬、旧国友学校で時を告げるのに使った太鼓など約二十点を披露する。
 鉄砲の製法は、種子島への伝来の翌年には国友に伝わったとされる。江戸に入ると戦での実用品ではなくなり、彫刻や彫金の装飾技術が求められるように。展示品からは、その経緯が見て取れる。
 「翠谷の存在と、その子孫がデザイン界で活躍しているのが面白い」と、国友町歴史文化保存会の西嶋伝一郎会長(65)。住民グループの国友村塾と共催することにした。「お盆の時期、多くの人に国友の歴史を感じてもらえると思う」と話す。十四日午後一〜七時、十五日午前九時〜午後四時。入場無料。(問)国友鉄砲の里資料館=0749(62)1250
 (鈴木智重)