文化功労者の輪島塗漆芸家で、七月十二日に九十八歳で亡くなった三谷吾一さんの追悼式が十二日、石川県輪島市の市文化会館で開かれ、市民や業界関係者ら六百人が、詩情あふれる沈金の色絵で大きな足跡を残した故人をしのんだ。
 全員で一分間の黙とうをささげた後、梶文秋市長が「卓越した技術で描かれる動植物は、優しさと力強さが満ちあふれていた。偉大な業績を胸に刻み、輪島塗の今後の発展に渾身(こんしん)の努力をすることを誓いたい」と式辞。輪島漆器商工業協同組合の日南尚之理事長らも追悼の言葉を述べた。
 三谷さんが好きだったクラシック音楽が静かに流れる中、柔らかな笑顔を浮かべた遺影や顕彰状が並んだ祭壇に、参列者が次々と花を供えて合掌した。
 式の結びに長男の慎さん(64)=前橋市=は「父の人生は仕事とともに、輪島とともにあった。立派な追悼式を開いていただき、父も感謝していると思う」と語った。 (関俊彦)