第九十九回全国高校野球選手権大会で、十七年ぶりに初戦を突破し、十五日には二回戦に臨む松商学園(松本市)。右横手投げを武器にする百瀬光太朗投手(三年)は、投手陣の三番手として、ベンチでは選手らの強力なサポート役としてチームを支える。
 百瀬投手が横手投げに転向を決めたのは一年の秋。上手投げでは制球が定まらず、練習試合でも相手打線を止められなくなった。行き詰まっていた時に、一学年上の先輩に横手投げを勧められた。
 最初は先輩のフォームを見よう見まねで覚え、鏡の前で投げたり、投球を動画で撮影したりして研究を重ねた。多い日は一日二百球を投げ込み、フォームを体に染み込ませた。
 次第に制球力も向上し、二年の春には一軍に昇格。昨秋の遠征試合で完封勝利を飾り、足立修監督の信頼をつかんできた。
 今夏の長野大会で、初めて背番号をもらった。「うれしかった。あの努力があったから、今の自分がある」
 長野大会や甲子園の初戦は出場の機会がなかったが、試合中は積極的に声を出し、選手がベンチに帰ると水を手渡したり、氷のうでアイシングをしたりと、献身的にサポート。危機の場面でも、仲間の物まねをして選手に笑顔をもたらした。
 「選手でありながら、ベンチのことも気遣ってくれている」と足立監督。百瀬投手は「自分が呼ばれる時以外はベンチでのサポートしか考えていない」。
 二回戦で出番があれば「支えてくれた人に自分が躍動する姿を見てほしい」。マウンドでもベンチでも、チームを支える気概は十分だ。
 (水田百合子)