県日本舞踊協会理事長 藤間松山さん
あす富山で「日本のおどり」
 二月に県日本舞踊協会理事長に選ばれた藤間松山(ふじましょうざん)さん(75)=魚津市、中日名扇会常任理事=は藤間流師範を半世紀以上務め、「日本の伝統文化を後世に伝えていく責任がある」と意気込む。富山市の県教育文化会館で十五日に開かれる「日本のおどり」は、理事長として初の公演。弟子の松顕(しょうけん)さんと共にトリを務めて、長唄「風流船揃(ふなぞろい)」を披露する予定で、「江戸の『粋』を味わってほしい」と呼び掛けている。
 踊り始めたのは四歳のとき。体を動かすことが好きだったが、中でも着物を着て踊る日本舞踊に強く引かれ、地元魚津の教室に通った。坂東流の日本舞踊を習っていた叔母の影響で、浄瑠璃の義太夫や端唄、小唄などにも触れ、日本文化への関心を深めた。
 高校卒業後、「芸を習うなら東京」と上京。十八歳で家元から名取を許されて「松山」を名乗り、十九歳で師範試験に合格した。以来、「足の指先にまで神経をとがらせる」芸を磨き、継承することに精進してきた。
 「三度の飯より踊りが好き」。二十三、四歳ごろに魚津に戻り、東京と魚津を行ったり来たりで朝から晩まで稽古。四十代で膝を痛め、座ったり立ったりすることもままならない時期もあったが、痛み止めを飲んで踊り続けた。膝の周りの筋肉を鍛えて克服した。
 現在、県内六流派を取りまとめる協会理事長を担いながら、一日に五、六時間、小学三年生から八十七歳までの弟子二十五人に踊りを教える。「もっとおなかに力を入れて。背筋を伸ばして」。厳しさの中にも笑顔を忘れない。
 「踊りは私の人生そのもの。できるだけ多くの人に日本舞踊の魅力を知ってほしい。特に若い人に『本物』を見せたい。魅力ある舞台で『私もやりたい』という気持ちを持ってもらえれば」
 公演は午前十一時開演。当日券三千五百円(前売り券三千円)。 (渡部穣)