介護施設の隣 カラオケ楽しめるカフェ
小松・きょうオープン
 石川県小松市八幡の介護施設運営会社「寿」が十四日、運営する介護施設の隣にカラオケも楽しめるコミュニティーカフェ「FRaT(ふらっと)」をオープンさせる。周りは自然に囲まれ、緩やかな時間が流れる。定年を迎えた地域の高齢者だけでなく、介護施設の利用者も一緒に交流できる場づくりを目指している。(谷大平)
 広々とした開放的な空間。床や柱にふんだんに使われた天然木の香りが部屋全体を包む。庭に面したガラス戸からは、手入れの行き届いた芝生や花壇に咲く多彩な花が見える。
 小松市中心部から山側に三・五キロ。丘のような小高い山が近いこの場所で、寿はデイサービス施設と老人ホーム二軒を運営する。昨年冬には、庭を介して介護施設と自由に行き来ができるカフェの整備を始めた。
 カフェは月曜から土曜までの午前九〜十一時、午後一〜五時に開放。一杯百円のコーヒーを味わいながらカラオケを無料で利用できる。気軽に寄ってもらおうと飲食物の持ち込みも可能。日曜はレンタルスペースとして貸し出し、二階はセミナーや各種教室としての活用も見込んでいる。
 「暗くて閉鎖的というイメージが介護の現場にある。そのイメージを変えたいんです」
 寿の中田伸太郎社長(35)は、日本が高齢化社会を迎える中で福祉の未来を思い描く。国内の有料老人ホームの入居者の年齢は平均八十八歳。入所者にとって子どもと同じ年代の地域の高齢者がカフェに集まることで、介護施設の利用者も自然に元気になる。介護の現場で働く人だけでなく、「地域と介護の距離が縮まり、交流のきっかけになってほしい」との願いだ。
 「人が幸福を感じるのは人と人とのつながり」と信じる中田社長。自身も五年前に始めた趣味のサーフィンを通して「人と人のつながり」の大切さを肌身で感じた。サーフィンをするため一人で米国西海岸やタイのプーケットを訪れたこともあった。海の水は海外の方がきれい。それでも地元の同県加賀市の海岸をホームにする仲間とサーフィンをするのが一番楽しかった。
 カフェ「FRaT」の名前には、地域に開放された場所で「垣根のない」という意味の英語と日本語の「ふらっと立ち寄れる」施設にとの思いを込めた。十四日のオープンを前に中田社長は「新しい試みで手探り状態。地域の人と一緒に育てるカフェにしていきたい」と笑顔を見せた。